私が中医学と中医美容学を学びはじめたわけ
女性はきれいになりたいと誰もが思っています。 10代、20代の頃には気にも止めなかった部分が、30歳の声を聞いた頃から気になりだし、それはやがて切実な悩みとなります。
私は大学卒業後、ツアーコンダクターの仕事を経て中国の大学に留学し、その後香港に移住しました。香港生活はもう20年以上になります。その間、多くの香港マダムと知り合う機会を得ました。どの方も本当に美しく、実年齢よりずっと若く見えます。40、50代になっても肌の美しさにいたっては、ファンデーションで隠す必要もなく、シミはおろか、毛穴をみつけることすらできない方がたくさんいらっしゃいます。30代の方は素肌そのものが美しく輝いています。
私はその秘密を知りたくなり、多くの香港マダムに訊いてまわりました。そして、私たちアジア人のもつ「アジアの知恵」がベースにあることに気づきました。香港は中国ですから、中国の方々が生活の一部としてごく自然に取り入れている「アジアの知恵」は、「中医学(漢方)」です。
中国の方は風邪を引くと、まず西洋医にかかります。症状が治まると、次に漢方医に処方してもらって漢方薬を飲みます。西洋医には「風邪という病気を治す」ためにかかるわけですが、それは風邪を治すための局部的な治療を求めてのことです。しかし、風邪は癒えても、身体のバランスは崩れてしまったままです。
たとえば、熱が下がっても、いつまでも身体のだるさがとれなかったり、いつまでも軽くセキが出る、というような症状が続くことはありませんか?こういった状態が、身体バランスの崩れです。崩れたバランスを正常の状態に戻すために、中国の方は「中医学の知恵」として代々伝わっている方法をとります。「漢方薬」を飲むのです。
「中医学・漢方薬」は効果が現れるまで時間がかかることがあります。私たちは即効性を求める傾向があり、つい西洋医的な「応急手当」に頼ってしまいがちです。しかし、中医学の世界では、「スグ効くものは、効能もスグなくなる」という考え方をします。スグに効く」は、その時だけに効く「応急手当」であり、「時間をかけて治す」は未来の自分の健康に繋がる「永久手当」なのです。
「漢方薬」は、不健康な細胞を死滅させ、健康で美しい細胞に生まれ変える「作業」をして「応急手当」と「永久手当」のバランスを整えます。そうすることによってはじめて、美しく健康な身体が保たれるからです。そのために効果を感じるまで時間がかかるのです。
私たちは即効性を求める傾向があり、つい西洋医的な「応急手当」に頼ってしまいがちです。しかし、「スグ効く」は、その時だけの「応急手当」であり、「時間をかけて治す」は未来の自分につなぐ「永久手当」です。
「キレイ」に対する考え方も同じです。香港マダムは、「スグ効くキレイ」ではなく、「いつまでもキレイ」を求めます。自分の力で美と健康をつくりだすことができれば、今も、将来もきれいな女姓でありつづけることへの道が開けると考え、その方法を探求、実行してきたのです。
私自身、中医学を学んでいくうちに、香港マダム達の「アジアの知恵」が、単なるまやかしではなく、医学を生活に取り入れたものであるということを知りました。中医学と美容学を合わせた「中医美容学(漢方美容)」ひとつとっても、アジアに脈々と伝わる知恵が各所に取り入れられており、それは健康に元気にキレイに生きていくために必要不可欠なものだから、研究され、開発されてきたのだと、理解できました。
そうすると、アジアの人たちが何世代にも渡って大切にしてきた「中医学」という知恵、そこから生まれ、今も脈々と続けられている「健康と美」の探求や開発、その成果を同じ悩みを持つ女性や「アジアの知恵」を知る機会のなかった女性に伝えたい、そんな思いが強くわきあがりました。
そして、同時に、一部の方々が抱いておられる「本当に効くかどうかわからない、なんだか怪しいもの」という中医学への偏見を正し、「美と健康に良い、実用的なもの」なのだ、と伝えることが、中国で中医学を学んだ私の役割でもあると、確信するに至りました。
こうして私は、私自身が健康で美しく生きていくためにも、安全性も含め、自分が納得できる「美容健康」作品を、自分の目の届くところで作り上げていくことにしました。「応急手当」ではなく、身体の内側から活力のでる「永久手当」を目指す「漢方美容薬」です。
幸いなことに、私の所属している南京中医薬大学の学長、教授陣、そして私の「漢方の旅」で出会ったアジアの多くの皆さまが惜しげもなく、開発に協力してくださいました。手に入る限り最高の材料を使い、最新の学術、技術を施していただいたのです。特に安全性につきましては万全となるよう、ご指導を仰ぎました。このようにして素晴らしい「漢方美容」が出来上がっていきますと、日本を離れ、身体ひとつで広大な中国大陸に渡った「日本娘」がささやかながら、文化・医療交流のお手伝いをしているような気がし、少しばかり自分を褒めてあげたくもなるのです。
そして、同時に、一部の方々が抱いておられる「本当に効くかどうかわからない、なんだか怪しいもの」という中医学への偏見を正し、「美と健康に良い、実用的なもの」なのだ、と伝えることが、中国で中医学を学んだ私の役割でもあると、確信するに至りました。